ウィル・グラック監督作「ステイ・フレンズ」("Friends with Benefits" : 2011)[BD]

セフレという割りきった関係を選択した男女の心境が、徐々に変化していく様を描くロマンチック・コメディ作品。

LAで小規模ニュースサイトのアートディレクターを務めるディラン(ジャスティン・ティンバーレイク)は、人材コンサルタントのジェイミー(ミラ・クニス)の紹介でニューヨークのメジャー雑誌GQ本社のアートディレクターにヘッドハントされる。ディランはGQでの面接を見事パスしたものの、住み慣れたLAを離れる事を躊躇っていた。ジェイミーはそんな彼の転職を後押ししようと、ニューヨークの穴場をいくつも紹介して周り、ついに口説き落とす。

ディランはGQへの就任と同時に、ニューヨークでの新生活を始める。ジェイミーにとっては、ディランが最低でも1年は勤務しないと、紹介料が出ない為に、ディランの様子を覗いに会いに来るのだが、次第に2人は親交を深めていく。ディラン、ジェイミー共々、直前に恋人と別れたばかりでフリーであったが、互いに恋愛感情を抱いてはいなかった。そこで、一回限りと約束し、スポーツ感覚で後腐れのないセックスに臨む。ところが2人は性的に相性が非常に良かった為に、その後も会う毎にセックスに興じる様になり、互いをセフレとして割り切った関係を継続していく事にする。

ディランの仕事が順調な一方、ジェイミーはディランに唆されて、道端で偶然出会った医師と交際を始めるのだが、程なくして別れを切りだされる。ジェイミーには情緒不安定なところがあり、医師に激昂してしまう。独立記念日の休暇が近づき、ディランは傷心気味のジェイミーをカリフォルニアの実家に招待する。ディランにとっては、女性を連れて行けば、独身でいる事で家族に要らぬ心配をかけずに済むという打算も働いた。

ディランの実家には、父、姉、姉の息子の3人が一緒に暮らしていた。母はディランが幼い頃に父と離婚し、家を出ていた。また、父はアルツハイマー病を患い、物忘れなどの症状が進行していた。ディランはジェイミーを親しい友人と紹介し、暖かく迎えられる。ディランはボケ始めた父を恥ずかしく思っていたが、ジェイミーはそんなディランを窘める。ジェイミーには早くから父親がいなかった。しかし、アニーはディランとジェイミーの間に漂う違和感を察知する。ディランはアニーとの会話の中で、思わず、ジェイミーに対して恋愛感情が無いばかりか、人間性をも否定する様な発言をするのだが、ジェイミーは偶然その場に居合わせていた為に、密かにその会話を聞いてしまう。怒ったジェイミーは適当に理由を付けて、1人でニューヨークに帰ってしまう。

休暇が終わり、仕事に復帰したディランは、ジェイミーに連絡を取ろうと試みるも、根に持ったままのジェイミーは無視し続ける。ある日、ジェイミーは超大手ネット通販企業から、人材の問い合わせを受ける。ディランの様な有能な人間を欲しており、できればディラン本人を紹介して欲しいという。しかし、ジェイミーに取ってそれは職業倫理に反する行為であり、またディランがGQでの契約期間を満了してもらわないとジェイミーの査定にも響くのだった。通販企業が、ジェイミーの頭越しに、直接ディランと交渉を始めたという情報を聞きつけたジェイミーは、転職を思い留まる様にディランに直訴するが、ディランは既に転職に乗り気だった。

アニーが息子との旅行で実家を空ける事になり、ディランは父をニューヨークの自宅に泊める事になった。ディランは父から、離婚した母親と出会う前に、人生で最も愛した女性がいた事を打ち明けられる。その女性と一緒になれなかった事を今でも後悔しており、ディランには同じ思いをして欲しくないのだった。父はボケ始めていたが、ディランが本当はジェイミーに思いを寄せていながら、自分を捨て家を出た母の事がわだかまりとなり、恋愛に積極的になれない事を見抜いていたのだった。一方、ジェイミーも母親からディランの事を大切にする様に促されていた。ディランは、ジェイミーにサプライズのフラッシュモブを仕掛け、愛を打ち明ける。互いの思いを確認した2人は再び親友に戻り、一から交際を始めるのだった。

序盤から、超絶イケ男イケ女のエリートカップルがセックスに興じまくるラブコメで、それだけだとむかっ腹立ちまくりで辟易してしまいそうだが、この2人にもちょっとした欠点があるおかげで、おバカな人物設定となっており、僕の様な非モテ童貞もニヤニヤして観られる内容となっている。ちなみに原題の"Friends with Benefits"は、「セフレ」というそのものズバリな意味らしい。前半は本当にキャッキャウフフのセックス三昧で、「イク時にくしゃみが出るんだ」とか、「どこまで繁みを掘り続けるの」だとかおバカなシーンが炸裂しまくるのだが、後半にかけてドラマチックな展開になっていく。セックス三昧と言ってもそれほど下品なハナシではなく、テンポとバランス感に優れた、なかなかの傑作だと思う。

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